アート、文学などなど2

今日は、木工教室の日でありますから、朝、早く起きて、平野区クラフトパークまで出かねばなりません。そもそも、s氏は、工作が大の苦手であるのですが、中学の技術家庭のブリキのちり取り制作の課題でも、その能力を遺憾なく発揮したのでした。図面を見ながら、鋭意制作に取り組み、やっと仕上げたその作品はと言うと、どう図面の寸法をとり間違えたのか、他の生徒の作品よりも小振りで、しかも、ちり取りの背面はというと、斜めに傾いているではありませんか、いまさら、直すこともできず、そのまま、先生のところに持って行ったのでした。先生もその作品を見るなり、何でこうなるかと不思議そうな顔をしていたのでした。さらに、おまけで、お話しするとすれば、高校の美術の時間に、走馬灯の制作課題でも、彼は、見事な走馬灯を作ったのでした。その走馬灯はというと、外枠は、木製で、四面に和紙を張り付け、内側は、主に、アルミ箔の円筒で、中に、ローソクを置く台座があり、アルミ箔の円筒は、切られ、いくつか羽根が作られていて、ロソクの熱で、その円筒が回るという仕掛けでありましたが、彼の作った走馬灯は、どこでどう間違ったか、他の生徒のものと比べると、サイズも変に、小さく、回転するどころか、四角の外枠に入るはずの、アルミ箔の円筒が、全く、そのなかに入らないのでありましたが、もうこうなっては、仕方がないので、外枠とアルミ箔の円筒を持って、先生のところに提出したのでしたが、その外枠とその内側に入っているべきはずのものが、バラバラのまま提出されたのを見た時、その先生は、いたく驚き、感動さえ覚えたことであろうことは、その時の美術の成績が、変によかったことで、想像する事ができるのであります。まさに、芸術の使命は、人を感動させることでありますから、その時の彼は、見事に、その使命を果たしたのでありました。万事がこの調子でありますから、木工教室の先生の苦労は、如何ばかりかと思うのでした。